オイルクーラーにもさまざまな種類があります。一般的なオイルクーラーは箱型で、薄い平板を波状に折り曲げ、複数の層（列）に分けて構成されています。
薄板の表面積が大きいほど、冷却性能も高くなります。取り付け位置としては、車体のダウンチューブ下部に設置されるものが多いですが、ダウンチューブ横に縦置きするタイプもあります。

写真のように、ダウンチューブに沿う形で取り付けるタイプのオイルクーラーもあります。
性能面では、空気との接触面積が大きい箱型の方が優れていますが、こちらでも十分な冷却能力があります。
何よりレトロな雰囲気がVツイン空冷エンジンによく似合います。

通常のオイルクーラーは、オイルフィルターマウントからオイルを一旦外に出し、ラジエーター内を通過させて走行風で冷却します。
その構造上、車両が停止している時にはあまり効果を発揮してくれません。
しかし、冷却ファンを備えたオイルクーラーも存在します。
このタイプでは停止時でもファンの力で強制的に風を送り込み、ラジエーター内を流れるオイルを効率的に冷却することができます。

オイルフィルターを、フィン付きのアルミボディタイプに交換する方法もあります。写真は「FLOハイパフォーマンスフィルター（0712-0219）」です。
オイルクーラーほどの冷却能力はありませんが、ノーマルの鉄ボディフィルターに比べ、熱伝導性の高いアルミ素材にフィンが付いているため、冷却効果は大幅に向上します。
さらに、このフィルターはステンレス線を編み込んで作られており、ノーマルの紙フィルターに比べオイルの流動抵抗が低く、エンジンが軽く回るように感じるほどです。
加えて、洗浄して再利用できるのも大きなメリットです。

オイルフィルターの移設も、オイルクーラーほどではありませんが、オイルの冷却に一定の効果があります。
通常、オイルフィルターはエンジン前側の複雑な場所に設置されており、熱がこもりやすい構造です。
さらに交換作業も手間がかかります。
スポーツスターの場合はまだ比較的容易ですが、ツーリングモデルではかなり苦労することもあります。
フィルターを移設すると、オイルラインを通過する際にオイルがわずかに冷やされるほか、フィルター自体も走行風を受けやすくなり、冷却効果が高まります。

上記のハイパフォーマンスフィルターなどを使用すると、独自のフィン形状により冷却効果が高まり、より効率的にオイルを冷却できます。
また、オイルフィルターの移設は、冷却効果に加え、フィルター交換が非常に楽になる点でもおすすめのカスタムです。
これらのパーツは、エンジンオイルの冷却に大変役立ち、ハーレーの空冷エンジンにとって非常に有効なアイテムと言えます。ただし、注意点もあります。
取り付けるオイルクーラーやフィルター移設の位置によって異なりますが、規定のオイル量よりも増やす必要があります。
これは、オイルラインやラジエーター内にも十分なオイルが必要だからです。特にオイルホースが長くなるほど、必要なオイル量も増加します。