インピーダンスと適合

実はスピーカーとアンプには適合があり、形状が同じでも年式で適合が異なる事がある。
アンプは電力増幅と言って、小さな信号から大電流に増幅し、それをスピーカーに送って駆動する事で大出力を実現している。その時に問題になるのがインピーダンス。

インピーダンス(オームで表わす)は電気の授業で昔習った(?)抵抗(電気の流れにくさを表す)に近い概念だが、スピーカー内のコイルの持つインピーダンス。アンプの出力インピーダンスに合うインピーダンスでなくてはならない。
このインピーダンスが合っていないと効率が落ちて出力が落ちたり、音の歪が出てきたり、アンプが過負荷状態になる可能性がある。

8オームスピーカー(左)と4オームスピーカー(右)

▲8オームスピーカー(左)4オームスピーカー(右) ぱっと見では判らないがよく見ると書いてある

判り易く言うと、例えば2オーム出力のアンプに4オームのスピーカーを接続すると100Wの最大出力のはずが50Wになってしまう(電流が流れにくくなる為)。音質には問題はないがスピーカーの最大入力が100Wでも50Wまでしかアンプは駆動できない。
逆の場合(4オーム出力のアンプに2オームのスピーカーを繋ぎたい、等)は少し注意が必要になる。アンプが想定しているよりも電流が流れやすくなるので、音量を上げた時に音が歪んできたり、アンプが過負荷になり保護回路が働いてしまう可能性がある。
しかし、実際にはスピーカーのインピーダンスは一定ではなく周波数により大きく変わる事もあり、2倍程度までのインピーダンスの違いはそれほど神経質にならなくても良いかも(高速で最大出力近くまでボリュームを上げる人は気になると思うが・・・)。

ハーレーのスピーカーとアンプは、段々と高出力になり、インピーダンスも下がってきている(インピーダンスを下げた方が出力を出しやすい)。
’98~’05年式では6オーム(スピーカーは4オーム)だったが、’06以降は2オームになっており、適合が異なる(アンプとスピーカーをセットで購入する場合は元々の年式のインピーダンスは関係ない)。

最近のCVOツーリングデモルはインピーダンスが1オームと極限まで小さくなっていて、2オーム出力のアンプにはこのスピーカは”適合外”と記載されている。
ちなみに、スピーカーを直列につないでインピーダンスを上げたり、並列につないでインピーダンスを下げる方法もあるが、同じスピーカーを沢山搭載する訳ではないので、ハーレーではあまり使えない。
アンプとスピーカーをセットで購入する場合は、インピーダンスは問題ないが、マウントや配線もあるので適合する年式のものを購入した方がよい。