ハーレーダビッドソンにお勧めのエンジンオイル

ハーレーにとってエンジンオイルは無くてはならない重要なもの。適したオイルを使用して調子よく維持したい。
こちらの項では、オイルの種類の概要~メーカーごとの特性を紹介します。

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オイルの種類の概要

エンジンオイルは大きく分けて「鉱物油」「化学合成油」「部分合成油」の3種類があります。

「鉱物油」は原油を精製し添加剤で特性を調整した一般的なオイル。
「化学合成油」は不純物を排除した高性能オイルで、耐熱性・耐久性に優れますが価格は高めです。
「部分合成油」は鉱物油に化学合成油をブレンドして性能を上げたオイル。

上記のようなオイルの違いの詳細については 「ハーレーに使うオイルは1種類ではない」の項で詳しく解説しています。

メーカーごとにベースオイルや添加剤の特性、配合率によってオイルの性能が変わることもあり、自分に合ったオイルを選ぶ楽しみもハーレーライフの醍醐味のひとつです。

様々なメーカーのオイル

H-D純正エンジンオイルは、ハーレーダビッドソン専用に研究・開発された高性能オイルです。
潤滑・冷却・清浄・スラッジ排出・防錆といった働きに優れ、特に空冷方式のV-TWINエンジンにおける過酷な温度条件下でその効果を発揮します。
ハーレー社が自ら空冷エンジンのために開発した100%化学合成オイルであり、水冷エンジンにも問題なく対応します。
ラインナップにはシングルグレードやダブルウエイトも用意されていますが、基本はマルチグレード仕様で、やや固めのSAE20W50が採用されています。
これは空冷エンジンがピストンとシリンダーのクリアランスを大きめに設計しているためで、柔らかすぎるオイルでは対応できないためです。
近年では、自動車用では燃費性能を重視して0W20といった極めて柔らかいオイルが一般的になっていますが、ハーレーには絶対に適さないため、間違ってもこういったオイルは使ってはいけません。

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Twin Power

純正オイル以外にも、ハーレーのエンジンに適したエンジンオイルを扱うメーカーは多数あり、リーズナブルな価格ながら純正と同等の品質・性能を持つ製品も揃っています。
中には純正より幅広い粘度レンジのオイルをラインナップしているところもあります。写真は Twin Power(ツインパワー) のオイルで、ハーレーの空冷エンジンに合わせて設計されており、純正オイルに遜色ない性能を備えています。
鉱物油と化学合成油の両方があり、25W60や60Wのシングルグレードなど幅広い選択肢が用意されています。

特にツインパワーのシンセティックオイルはお勧め。
メーカーのテストではすべての項目で純正のSYN3を凌ぐデータを叩き出している(公式検査機関テスト)。

<線接触摩擦>

・純正20W50 : 最大負荷 1750 lbf

・純正SYN3 : 最大負荷 2750 lbf

・ツインパワーSYN: 最大負荷 3250lbf

<加熱気化テスト>

・純正20W50 : 8.2%

・純正SYN3 : 5.7%

・ツインパワーSYN: 5.0%

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BEL-RAY

Bel-Rayオイルは、Made in USAの高品質とハーレーVツインエンジンに特化した設計が魅力で、性能と信頼性を重視するライダーにおすすめのオイル。

独自の添加剤化学技術により、すべてのVツインエンジンに優れた摩耗保護性を発揮する。
レースシーンでの実績を背景に、過酷な温度や負荷の条件下でもエンジンをしっかり保護し、パフォーマンスを最大限に引き出すことを目的として開発された高性能オイルとなっていることなど、「潤滑技術のリーダーであるBel-Ray」と謳うメーカーの自信は様々なところから感じ取ることが出来る。

実際に非常に多くのライダーが好んで使っていることに”答え”は表れている、折り紙付きのメーカーです。

  

SPECTRO

SPECTRO(スペクトロ)は、1966年にアメリカで創業された老舗オイルメーカー。
創業者のボブ・ウェーマンの2ストロークエンジン向けのオイル開発経験を活かし、ハーレーダビッドソンのVツインエンジンに特化した高性能オイルを製造してます。
スペクトロのオイルは、全合成油、合成ブレンド、鉱物油などさまざまなタイプが揃い、いずれもハーレーの空冷エンジンに最適な性能を発揮します。

かつてハーレー純正オイルが存在しなかった時代に多く使用されていた信頼性の高い製品で、旧車乗りから絶大な指示を得る一方、現行車に使用する6速専用に配合されたギアオイルは、ディーラーでも推奨するほどの高性能で、玄人好みの”一度使えば違いがはっきり分かるオイル”が揃っています。

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旧車については注意が必要

ツインカム・エンジンやミルウオーキーエンジンにはシンセティックの方が良いが、古いショベル以前のエンジンには鉱物油の方が良かったりするので、ご注意いただきたい。

これはシンセティックでは粒子が均一で細かくオイル漏れしやすいなどの弊害があるから(実は古い空冷ポルシェなどもそう)。
古い空冷エンジンには50Wや60Wなどシングルグレードのオイルがピッタリの特性だったりする。

こちらの項にて紹介したオイルの他にも、まだまだ多彩なオイルメーカーが揃っています。


   

ページ作成・編集者

World Motor LifeHD-PARTS 専門スタッフ
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