
ハーレーに限らず、ガソリンエンジンはピストンの裏側のクランクケースにブローバイガスという未燃焼ガスが溜まる。圧縮時にピストンリングのすき間からクランクに溜まってしまう。
市販されているエンジンでは環境の事を考え、未燃焼ガスをエアクリーナー部分からエンジンにそのまま取り込み(還元)燃焼させる。
ハーレーではプッシュロッドのパイプを通して前後のシリンダーヘッドに送り、そこからエアクリーナーにパイプでもしくはバックプレートに直接ブローバイガスを戻している。
ブローバイガスの主成分は高温の気化したエンジンオイルと未燃焼ガス。これを燃焼させると実はバルブやピストンの上側が汚れ、パワーダウンする。そこで、レーシングカーではオイルキャッチタンクを付けて、ブローバイガスをオイルと、ガスに分離し還元させない。ガスだけエンジンに戻し、オイルは溜めておく。
エアクリーナーをハイフローに交換するとエアクリーナーの下側からブローバイガスのオイルが漏れてくる事がある。ノーマルエアクリーナーだとオイル成分もしっかり吸気ポートに吸い込ませる構造になっているが、ハイフローだと吸気面積も増えていて漏れやすくなる。
エンジン内部の汚れとエアクリーナーの汚れを防ぐためにブローバイガスを還元させない物も存在する。

通常、ピストンやヘッドにはカーボンが付着する。この汚れは主にブローバイガス還元に含まれるエンジンオイルによるもの。

ブローバイガスを還元にしなければ、ピストンやバルブはキレイ。
アメリカのカスタム・ハーレーで還元していない車両も多く、どうしているのか説明する。

ブローバイガスを還元しない場合は、オイルキャッチタンクで受けるか、この写真のようなブローバイガス分散のデバイスを装着する。
フィルター部で未燃焼ガスが大気に開放される。
フィルター部に残るオイルは時々捨てる必要があるが、ピストンやバルブ周りは汚れなくなり、高性能が持続する。
このタイプでは、ハイフローエアクリーナーを装着する場合は、バックプレートをブリーザーボルト部に固定しないタイプを選ぶ。
ただし、通常のハイフローエアクリーナーはブローバイガスを還元しているのでそのまま車検にも通るが、この方式にすると車検には通らなくなる・・・

オイルキャッチタンクを付ければ
オイル成分はここに溜まるが、気化した未燃焼ガスを大気に開放してしまう構造では車検には通らない。
自動車ではオイルセパレータという機構でオイル成分だけ抜いている構造の車があるが、同様な機構の物がハーレー用にもある。ただしすべてのエアクリーナー用がある訳ではない。
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